MARUKU blog

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輸血について知ってもらいたいこと

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管理人のMARUKUです。 輸血に対するイメージは人それぞれあると思いますが、今回はどうしても知ってもらいたい 輸血について危険性やその有用性について解説していきます。

輸血とは?

輸血は手術や外傷などに伴う出血や、血液疾患による血液成分の貧乏や機能不全が問題となった状態に対し、その成分を補充するための治療法です。

輸血の種類

輸血にはいくつかの種類があり患者の状態に合わせて使用します。

製剤名と用途
  • 赤血球製剤:血液疾患などの慢性的な貧血、出血。
  • 血漿製剤(アルブミン製剤・グロブリン製剤・凝固因子製剤):大量輸血に伴う凝固障害、TTP(血栓性血小板減少性紫斑病)やHUS(溶血性尿毒症症候群)などの血液疾患。
  • 血小板製剤:血小板減少症、大量出血、DIC(播種性血管内凝固)

輸血前に行う検査

輸血は安全に行うためにいくつか検査をしてから行います。

  • 血液型の確認:基本的に同じ血液型(A型の患者ならA型の血液製剤)を投与する為※緊急輸血など例外あり
  • 不規則抗体の確認:溶血性副作用を起こす可能性のある抗体の存在を確認する。
  • 交差適合試験:輸血を受ける患者と血液製剤で抗原抗体反応が起こらないか(輸血しても大丈夫か)確認する。

輸血は危険?

しかし未だに輸血に対してあまり良い印象を持っていない方がいるのも事実です。

感染や被曝をする(血液製剤の中には放射線照射を必要とするものがあるため)と言った考えを持っていたり、宗教的な理由(エホバの証人など)で行うことができない人もいます。

※私も実際勤務していて何人かエホバの証人の患者の方を見ました。

宗教的な理由であれば私自身その信仰を否定するわけではないので輸血の選択は自由だと思いますが、その他の理由で危険だと思っている方はこれから先の内容を1回見てほしいです。

輸血の実績

当院では毎月600本以上年間で7500本以上血液製剤を取り扱っていますが、輸血が原因で亡くなった方は私が5年前就職し勤務しはじめてから1件もありません

また輸血により感染(HBVHCV)した患者もです。

※被曝に関してはそもそも血液製剤放射線照射をされているだけであって、血液製剤自体が放射性物質を発している訳ではないので影響はありません。(今までにそのような事例もなし)

むしろ照射されない血液だとGVHDなどの副作用を起こす危険性があります。

まとめ

今回は輸血に関して解説しました。 まとめると

白血病などの患者の方は治療中だと週に2.3回は輸血をしなければ生きていけません。

そのような方々のことを考えると日々しっかり業務にあたらないといけないと考えさせられます。

今回この内容を見て輸血に関する理解を深めてもらえたらと思います。