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鉄欠乏性貧血について

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管理人のMARUKUです。

今回は女性が最もかかりやすい疾患の1つである鉄欠乏性貧血について解説します。

 

 

 

鉄欠乏性貧血とは?

 

文字通り体内の鉄の欠乏により起こる貧血のことで一般に若年~中年女性の発症が多い。

貧血の中でも最も頻度が高く、臨床上重要な疾患です。

女性で多い原因は月経の他に子宮筋腫による性器出血、妊娠に伴う鉄需要の増大が多いとされています。

 

特徴的な症状

 

鉄欠乏性貧血は貧血に共通した症状(めまいや動悸など)に加え、特徴的な身体所見があります。

  • スプーン状爪:爪は細胞増殖能が高く、鉄の需要が大きいため鉄が欠乏すると爪はもろくなり真ん中がへこんでスプーン状に変形します。
  • 異食症:鉄欠乏性貧血の症状として起こる嚥下障害により、食べ物の嗜好に異常が生じ、氷や土などを好んで食べるようになります。

 

 

 

 

治療法

 

治療の第一選択は鉄剤の経口投与であり、それに加え栄養面からの食事誘導も重要となってきます。

 

食事誘導とは?

 

鉄含有量の多い食品を摂ることに加え、赤血球やヘモグロビンの元となる栄養素であるタンパク質、造血や鉄の吸収に不可欠なビタミンC、葉酸などバランス良く摂取させることが必要です。

 

そこで摂取におすすめの食材を紹介します。

 

主な食材

ヘム鉄(吸収率25%)

肉類、カツオ、イワシ、マグロ

ヘム鉄は肉類、魚類に多く含まれ吸収率も良いが、コレステロールも高いため過剰摂取には注意する。

 

非ヘム鉄(吸収率5%)

卵、あさり、ひじき、大豆、ほうれん草

非ヘム鉄は野菜や海草類に多く含まれていますが、吸収率が悪いためビタミンCとともに摂取すると良いです。

 

まとめ

 

今回は鉄欠乏性貧血について解説しました。

まとめると

 

 

鉄欠乏性貧血はそこまで重症化することのない疾患ですが特に女性はかかりやすいので普段の生活から鉄分をしっかり摂るように心がけましょう。