PLT(血小板数)【検査項目解説】
管理人のMARUKUです。
今回はPLT(血小板数)について解説していきます。
1.血小板とは
血小板は血球の中で最も小さい細胞ですが、止血という生体にとって極めて重要な機能を担っています。 寿命は平均10日、体内の血小板の2/3は血液中を循環、残りの1/3は主に脾臓に貯蔵されています。寿命を全うした後は主に脾臓で処理されます。
2.基準値
15万/μl~40万/μl この範囲内であれば血小板は正常に働いてくれます。
3.血小板の機能
先に説明した通り、血小板の機能は止血ですが止血に至るまでに「粘着」「放出」「凝集」という3つの過程があります。
- 粘着:損傷を受けた血管の内皮下にあるコラーゲンに1~2秒で粘着する。
- 放出:粘着により血小板は活性化され、さらに血小板を活性化させるADPや血小板凝集作用を持つTAX2を放出する。
- 凝集:血小板同士が互いに凝集し、血栓が形成される。
順番は1.粘着→2.放出→3.凝集という形で作用します。
ちなみに血小板のこの作用は一次止血と言われ、凝固系(次の検査項目解説で説明します)が止血に作用することを二次止血と呼び両方が正常に作用してはじめて止血できます。
4.異常値
血小板が異常値を示す場合のほとんどは血液疾患です。
低値:ITP(特発性血小板減少性紫斑病)、TTP(血栓性血小板減少性紫斑病、白血病、MDS(骨髄異形成症候群)など
高値:ET(本態性血小板血症)
血小板数が低い場合は検体不良(採血などが困難で血小板が凝集してしまい偽低値になってしまったりすること)でない限りは上記のような血液疾患が疑われます。
この時に出血すると止血機能が正常に働かなくなるため大量出血につながる場合もあります。
5.まとめ
今回はPLT(血小板数)について解説しました。 まとめると
- 血小板は止血(血を止める)のに必要。
- 血小板が止血するのは一次止血と呼ばれる。
- 血小板数が少ないときに出血すると致命的。
血小板は血液の中においてとても重要で、血小板数が少なく転倒してしまった患者で出血が止まらなくなりそのまま亡くなってしまったというケースもいくつか経験しました。検診などで指摘されたら再検査、精査をしてもらいましょう。