PT・APTT(凝固系検査)【検査項目解説】
管理人のMARUKUです。今回はPT・APTT(凝固検査)について解説していきたいと思います。
凝固検査とは
凝固検査は、血液中にある凝固因子の働きを調べる検査です。
前回、血小板が止血の役割をしている話をしましたが、血小板だけだとどんどんはがれていってしまい止血は不完全のまま終わってしまいます。
そこで登場するのが今回の凝固因子です。凝固因子は血小板をくっつけるいわゆる「のり」のような役割をしており、この反応を二次止血と言います。血小板と同様凝固因子もまた止血にはなくてはならない存在です。
基準値
PT(プロトロンビン時間):10~12秒
APTT(活性化部分トロンボプラスチン時間)30~40秒
この2つは試薬によって基準値が変動してしまうためおおまかにこのくらいになります。
種類
二次止血の主役となる凝固因子は全部で14種類あります。
APTT:内因系(ⅩⅡ因子、ⅩⅠ因子、Ⅸ因子、Ⅷ因子、※高分子キニノゲン、※プレカリクレイン)
PT:外因系(Ⅶ因子、※Ⅲ因子)
共通系(Ⅹ因子、Ⅴ因子、Ⅱ因子、Ⅰ因子)
その他(Ⅳ因子、ⅩⅢ因子、)
※印のついている物質から反応が始まる
大きく分けると上記の4つに分かれます。
今回はその他以外の3つについて解説します
凝固反応は2つの経路に分かれており、外因系を測定する項目をPT、内因系を測定する項目をAPTTと表記します。共通系は凝固反応の際外因系内因系のどちらから反応しても起こる凝固反応です。
内因系:内皮細胞以外との接触(血液がある種の異物面と接触することにより起こる反応)
外因系:内皮細胞の傷害(血管外の細胞表面に発現している組織因子が内皮細胞の傷害により流れ込むことにより起こる)
共通系:外因系、内因系両方の反応で起こる
異常値
PTやAPTTは秒数で表されますが異常値の場合は基本的に秒数が長くなります。
APTT延長:血友病、von Willebrand病、DIC(重症例)
PT延長:ワーファリン投与、ビタミンK欠乏症、DICなど
まとめ
今回はPT・APTT(凝固検査)について解説しました
まとめると
- 凝固検査は血液中の凝固因子を調べる検査
- 血小板同様止血で活躍する
- 血液疾患から薬物まであらゆる影響をうける
普段健康体の人ならあまり目にかからない検査だと思います。
上記の通り血液疾患や手術をされる方、心疾患の患者の方などは一回はやられると思います。少しでも参考になるとうれしいです。